
Fault Lines
8 Aug–7 Sep 20251984年生まれ、愛媛県出身。
イチ・タシロは、均された表層の上に実験的な素材と重層化、そして加算・減算による相互作用を適用することによって作品を制作する。専門的な美術教育を受けておらず、完全に独学なタシロの制作アプローチは、動作、本能、そして素材と道具の特性に対する直感的反応に基づいている。まるで即興演奏のようにオートマティスムと即時性の文法の中で制作された彼の作品は、それぞれの要素がその様式的進化に寄与している。
初期のコラージュ作品では、新聞、書籍、雑誌からのテキストや画像の断片によって空想的で超現実的なナラティブを想起させるテクスチャーのあるコンポジションを形成していたが、やがてその焦点を表層そのものの物質性、特に二次元と三次元の平面間の相互作用へと移行。彫刻とパターン描画の探求を通じて木材の表層に彫りや削り込みを施し、紙、顔料、インク、そしてファウンドオブジェクトを重ねることで彫刻とコラージュを融合させた抽象的な色彩と形を構成していた。